
私は50歳を目前に自律神経失調の症状と物忘れが急増しました。
記憶を失うことから認知症を疑いましたが、検査の結果、年相応だと診断されまして。
何も治療を受けていません。
そこで今日は。
物忘れが頻発することを受け入れて生活する際の心構えについて語ろうと思います。
記憶が飛ぶようになった恐怖が緩和されるかもしれませんので、物忘れに悩む人は参考にしてください。
苦しみの原因を掴む
物忘れで苦しむのは、自分だけでなく周囲に被害があるから。
私の場合、突然に記憶が飛ぶことが増えたので焦りましたが、3ヶ月ほど経過した時に立ち止まって考えてみました。
具体的には「物忘れがあることによる困りごと」を書き出したのです。
私は裏紙に書き殴りましたが、使用するのはノートアプリでも何でも。
フォーマットも自由で、マインドマップ風にまとめるのも良いかもしれません。
とにかく、困っていることを脳内から吐き出すイメージでアウトプットすることが私を救ったことは確かです。
あなたの物忘れは深刻か?
書き出すだけでもスッキリして悩みごとが自己完結することもありますが、私は書き出したものを読み、更に物忘れと向き合うことで対策を考えることにしました。
ぶっちゃけると、この作業は私にとって辛かった…。
ですが、これによって客観的に自分の現状を把握することができ、何かを忘れたとしても致命的になったことは少ないことに気がつけました。
その頻度が異常に高いだけで、内容は物忘れに悩んでいない人達と同等レベルな内容だったのです。
つまり、絶望するほどのことではなかった。
指の隙間から漏れ落ちる砂のように、色々なものを忘れてしまう現象は恐ろしいです。
忘れたことに気がつく度に不安になり絶望的な気持ちになっていましたが、それは杞憂でした。
面倒でも悩みを書き出し、俯瞰して物忘れと向き合うことで深刻度を修正すると心が軽くなります。
物忘れを記録する効能
次に私が行ったのは「日々の物忘れ記録」です。
「物忘れがあることによる困りごと」をその時に思い出せるだけ書き出すだけでも有効ですが、ログを残すことで更に効果的な対策ができるようになるし、状況が改善されていくのを実感できるからです。
もしも挑戦するならば、記録をルーティンとして習慣化することをお勧めしたいです。
私は物忘れの記録をタスクシュートで行っていますが、使うのは手帳でもカレンダーでもノートでも。
お好きなもので構いません。
これに関してもフォーマットは自由で。
いつ、どこで、何を忘れたのかを簡単にメモしておきます。
覚えている限りの物忘れだけで大丈夫です。
ただ、私達は「物忘れをしたこと」も忘れやすいので、記録する媒体に秒でアクセスできる状態にしておきましょう。
余力がある方は、物忘れ以外に健康状態や仕事の忙しさを数値化し、表計算アプリで解析すると面白いです。
すると睡眠時間や体調と物忘れとの相関関係が見えたりします。
日々の物忘れを記録すると、物忘れにもバイオリズムがあることや、失いやすい記憶に傾向があることが明確になります。
ログを残すことにより、ノーミスで過ごせる日が少なくて精神的に凹むかもしれませんが、記録によって脳に「物忘れをしやすい状況」が刻み込まれ、記憶を失いやすい場面での注意力が高まり、結果的に物忘れが減ります。
私の場合は3ヶ月以上かかりましたが、物忘れが減ると自己肯定感も回復しますので、可能であれば物忘れの傾向を掴んだ後も心が癒されるまで継続して記録を取ると良いです。
タスクシュートとは? と思った人は↓の記事を参照してください。
苦しみの原因は「役割の誤解」かもしれない
このように客観的に自分の物忘れと向き合い対策をした結果、物忘れゼロの日が増えたのですが。
物忘れと3ヶ月間向き合っても、私は数秒前の記憶を失う恐怖から逃れることはできませんでした。
そこで考察したのは、家庭や職場など、自分が属しているコミュニティーにおける役割でした。
私の場合は
物忘れが辛いというよりは
自分のポジションを高く見積もっている
ことが苦しみの原因だと分かったからです。
ロールプレイングゲームに例えるならば、私は自分を「勇者」だと誤解しており、前衛として活躍しようとしていました。(恥)
実際はパーティが休む陣営を整える「供給係」で。
周囲を補佐することに才能があったのです。
私は無資格で臨床検査の仕事を生業としており、無知や経験不足、基礎学力の低さ、これらの問題に物忘れが加わり、ミスが増加したことが私の「困りごと」でした。
自分は戦闘要員ではないのに、積極的に敵と戦おうとしていました。
それなのに上手く敵と戦えないことを悩んでいたのです。
自分のポジションはサポーターなのだから、他人を補佐することができていれば良い。
もちろん、現実は役割以外のこともしなければならないため、物忘れが発生しやすい仕事からは逃げられません。
ですが今は、実験業務以外にラボを清潔に保ち試薬や機器のメンテナンスを積極的に行うことで、私はなくてはならない存在になれています。
「適性のない仕事」の中にも居場所を作ることができたことが、物忘れの恐怖を薄めてくれています。
自分の役割を知る方法
ここで、組織における自分の役割を見いだした際に参考にしたものを紹介しますと。
自己分析の方法は色々な方が発信してくれていますが、ストレングスファインダーや八木仁平さんの『世界一やさしい「才能」の見つけ方』を参照するのがおすすめです。
もしも自分の役割から外れたところで頑張っているのであれば、可能な限りそこから離れることで物忘れによる困りごとが減ります。
自分の役割は何か?
「自分では大したことではないと思っているけれど、それができない人がいる」ことがあるならば、それが最大のヒントです。
私は物忘れによる苦しみから逃れるために長所と短所を書き出して眺め、短所を反転させて長所へと変換する作業をしました。
自分の性質を言語化すると、自分の強みが見えてくると思います。
すると所属している集団に対し自分が貢献できることが見えてきて、更に自分の居場所が見えてきます。
自分が得意とすることを活かせる場が最適な居場所です。
それは端の目立たない場所かもしれません。
適所を見つけても、自分の意思ではそこを居場所にできないかもしれません。
ですが、私のように才能を活かせる役割を作り上げることでポジションを得る努力は無駄ではないと思います。
トンビにはトンビの生き方があり、名脇役がいてこそ作品は面白くなると考えると、華やかな立場を無理してキープすることを止められるようになります。
まずは見栄を捨てて。
自分を客観的に認識し直すと物忘れによる苦しみを緩和できると思います。
物忘れのある生活
記憶を失いやすいシチュエーションを把握し、物忘れを防止する。
身の丈にあった役割に徹する。
自分の特性を活かせる場所で活躍する。
今でも私は記憶を失いますが、この記事で紹介したことを行うことで平常心を保つことができています。
アルツハイマー型の認知症には薬があるそうですが、私のように数秒前の記憶を失うような物忘れに対する治療法はありません。
治せないのであれば、「自分は忘れる」と受け入れるしかありません。
この記事が病気でない物忘れに悩む人の参考になれば幸いです。

